(まちカドまぞく×神様とクインテット+αSS、前回の「2019:芸術を学ぼう」の続きになります。通算4作目です。)
・登場人物
吉田優子/シャドウミストレス優子
千代田桃
陽夏木ミカン
日下部うらら
烏口あかね
梅皿こもも
お寿司
溝引トーコ
薄墨りん
?????
「他に変なところは無いわね…」
からけんをあとにした私達は他のところも調べていたが特に変わった様子はなかった。クロらしき人の目撃情報も探ってみたが特にこれといった目撃情報も発見することはできなかった。
「どうしようか」
「一度からけんの方に戻ってみましょうか、結局あそこが一番怪しい気がしますし」
「そうだな…」
常識的に考えておかしいことが立て続けに起きていたし、怪しいとしたらあそこしかないだろうと踏み、もう一度戻ることにした。
からけんの小屋に戻った私達はノックし扉を開けた。
「失礼します、片付けのお手伝いでも…」
そこでは液状化したあかねさんが液体を吐き出していた。
「きゃああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
液状化したあかねさんを見たミカンさんがおもわず悲鳴を上げる。その直後強い風が吹き、天気も荒れ始めた。ミカンさんの呪いが発動したのだ。
「のじゃーっ!!せっかく片付けたのにまためちゃくちゃに!!」
「ミカン!呪いが出てるから落ち着こう!」
「トーコちゃんのパンツたまらん!!」
「何やってんだお前!!」
「シャミ子おおお…助けておくれええ…」
「ごせんぞが通りすがりのクマに!」
「何でクマがいるの!?とりあえず皆を避難させないと…!」
「やめてください!奥さんと子供はそんなことをしても帰ってきませんよ!」
「何ですかその刑事ドラマみたいな説得!?」
「こうなったら変身して…」
その時、山の方から何かが飛んできた。
「非常食!?どうしてここに!?」
「なんですか非常食って!?」
「私の頭の中に入れたおいた非常食なんだけど進化してから自然に返したんだけど…」
「??????????????????????????????????????」
「シャミ子!パンクしないで!気持ちはわかるけど!」
その非常食と呼ばれたカブトムシはこちらに向かって飛んでくると…
「もしかして私達を助けに来てくれたんじゃ…」
通り過ぎた。
「…あれ?」
「トーコちゃん、カブトムシが人を助けるわけないでしょ」
「のじゃ」
「こ、この…!」
「シャミ子ぉぉぉ…助けておくれぇぇ…」
「ご、ごめんなさい私のせいで」
「大丈夫ですよよくあることですから」
混沌とした状況ではあったがなんとか収まった。液状化したあかねさんはお腹が空きすぎるとたまにそういうことになるらしく、マーライオンみたいでかわいいと言っていた。突然現れたクマはうららさん達の知り合いだったらしく(?)説得で落ち着きを取り戻し山に帰っていった。ミカンさんもなんとか落ちつき、局地的な天変地異は収まったようだ
「話せばクマでもわかってくれます」
「そもそも話すことができないんですが…」
そしてそうこうしているうちに夕方になり、学祭の終了時間になってしまった。
「疲れましたね…」
「疲れたね…」
「疲れたわ…」
「疲れたぞ…」
鈴ヶ谷美術大学をあとにした私達は大変な疲労感に襲われていた。特になんの収穫もなかった上に怪現象だけは起こるのだから当然である。
「待って〜!」
すると後ろから声をかけられた、振り向くとあかねさんとうららさんがこちらに走ってきていた。
「どうされたんですか?」
「いや〜なんとか間に合ったみたいだからね」
そう言うと彼女は頭を開き、中から何かを取り出した。
「これを渡そうと思ってたんだ、こももさん
が作ったそこの像からインスピレーションを得た作品だって!」
「…………………………………………………………………………………………ありがとうございます!」
もう深く考えないことにした。
「こももさんがお礼言ってましたよ。いいものが作れたって、良かったらまた遊びに来てくださいね。それじゃ!」
あかねさん達はそう言うと走り去っていった。
「結局なんだったんでしょうか…」
「おかしな事は山のように起きたけど、空が変になったりはしなかったね」
「この像も特に結晶になる気配もないしね」
「クロって人も結局出てこなかったわね…」
「余はここまでグロテスクではない…」
「リリスさん真面目に考えてください」
何もかもわからなくなりそうになっていたその時
例の光のオーロラが突然目の前に現れた。
「えっここでですか!?」
驚く私、だが桃とミカンさんはもっと驚いた顔をしている
「何この気配…!?」
「ちょっと魔力量がめちゃくちゃよ!?」
「シャミ子!気を付けろ!何かとんでもないものが来る!!」
「き、ききかんりー!」
私はとっさに危機管理フォームに変身した。桃とミカンさんも変身して臨戦態勢に入っている。すると光のオーロラから誰かが現れた。
「やっと直接お話ができますね」
「…神様?」
目の前にいるのはピンク色の長い三つ編みの髪をした少女だった、しかし頭の上に天使の輪のようなものがあり、何より全身から溢れている力がどう考えても普通の人間ではない。神々しさすら感じるほどだ。
「…あなたは誰ですか?」
私の質問にその少女は答えた。
「初めまして、私の名前は音無いりす。破壊神です」
「2019:神様とカルテット」
次回予告
「こうするしか今は方法がないんだ」
「この世界を破壊する気ですか?」
「オーダーは…止められない」
「みゅーたんはそんなことしないよ!!」
「2019:まちカド破壊神」