ワクワク不動怪獣日記

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「まちカドまぞく」からのきらら作品入門

皆さんこんにちは。

 

 

 

まちカドまぞく」、近年のアニメ化したきらら作品では結構話題になった作品であると思うので、ここから、他のきらら作品への理解や入門が増えたらいいなと思いつつ、思ったように増えないなら微力ながら後押しするぞ!というわけで、他のきらら作品への勧誘記事を書くことにしました。記事タイトル通り、アニメのまちカドまぞくを見た!という人向けになります。私も実は全部のきらら作品を追えているわけじゃないので、触れていない部分については話せないです。素人の駄文ですが最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

①導入

 

・そもそもきらら作品って何?

 

一般的にはまんがタイムきらら系列の雑誌に掲載されている作品のことを言います。現在は「まんがタイムきらら(以下無印)」、「まんがタイムきららMAX(以下MAX)」、「まんがタイムきららキャラット(以下キャラット)」、「まんがタイムきららフォワード(以下フォワード)」の四つの雑誌があります。少し前には「まんがタイムきららミラク(以下ミラク)」というのもあったのですが休刊となってしまいました。

 

また雑誌ではなくCOMICFUZという芳文社の漫画アプリでもこれらの雑誌を読むことが出来、こちらだけのオリジナルのコンテンツもあります。ちなみに「ゆるキャン△」はフォワードからこちらの連載に移ってきております。

 

無印、MAX、キャラットは4コマ漫画、フォワードは普通のフォーマットの漫画が基本的に載ってます。ちなみにまちカドまぞくはキャラットの連載作品です。

 

各雑誌の代表作としては

 

無印→「三者三葉」「スロウスタート」「ゆゆ式」等

 

MAX→「きんいろモザイク」「ご注文はうさぎですか?」「こみっくがーるず」等

 

キャラット→「ひだまりスケッチ」「キルミーベイベー」「まちカドまぞく」等

 

フォワード「がっこうぐらし!」「夢喰いメリー」「あんハピ♪」等…

 

アニメ化したものを中心に挙げるとこうなります。キャラットが特にアニメ化経験作品が多いですね。

 

 ・よく日常系って聞くけどどう違うの?

 

日常系、すっごいざっくりした言い方で分類がしにくいのですが、多分「少女たちの日常をゆるく描いた作品」みたいな意味で使われているのだと思います。人によって多分分類が変わるので一概には言えないのですが、おそらくきらら作品の大半はこういうものだと思ってる人が多いのではないでしょうか。ここは日常という言葉の解釈の話になるので、また難しい問題になるのですが、この日常系に分類されるだろう作品はきらら作品じゃないものも混ざっています。個人的にはそこまで好きな言葉じゃないのですが、日常の祭典というキャッチコピーでまんがタイムきらら展(まんがタイムきららの展覧会)が開かれていたのでここではとやかく言いません。結論としてはきらら枠とベン図で重なってる部分があるぐらいの認識でいいと思います。

 

 ・アニメと原作どっちを触ればいいの?

 

個人的には原作を読んでほしいというのが正直なところですが、きらら系列の単行本は一巻当たりの値段が結構高いので気楽に買えというのも無責任かもということで、アニメから入るのが一番敷居が低いと考えています。ただもちろんアニメ化してない作品は入りようがないので、「COMICFUZ」月額480円できらら系列の雑誌4誌が読み放題になるプランに入る、定期的にやるキャンペーンで無料で読める分を探すかのどちらかがいいと思います。

 

 

・原作のまちカドまぞくの特徴って?

 

まずはきらら漫画の中でも情報量が多いことが挙げられます。


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まちカドまぞく1巻より

 


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神様とクインテット1巻より


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三者三葉1巻より

 

このように他の一般的なきらら漫画と比べたら分かりやすいのですが、ページ毎の差はもちろんあるものの背景の書き込みや台詞量など全体的に漫画としての情報量が多いです。そして、ストーリーの縦軸がはっきりと存在しており、その台詞や背景の中に後の展開の伏線のような要素が仕込まれていることも多いです。これを読みごたえのある漫画と取るか、スラスラ読みにくいと感じるかは読者次第だと思いますが、サラッと読んでも十分楽しいですし、後で読み返すと新しい発見があると思うので、アニメで気になった方は是非原作も触れてみて下さい。めちゃくちゃ面白いので。

 

ただ他の「まちカドまぞく」のような作品は、私は正直あまり例が思いつきません。伊藤いづも先生がきららで書いている作品がまちカドまぞく一作だけであることと、念入りに練られた設定と世界観、配置された伏線、明確な筋のあるストーリーと、人気作であることは間違いないのですが、一般的なきらら作品とは少し異なる点が多いからです(もちろんほかの作品が悪いと言っているわけではありません)。

 

それでもこの作品ならきっと気に入ってくれるかなというものを次で上げていこうと思います。基本は原作の話をしていますが、アニメもある作品はそちらにも軽く触れています。

 

 

 

 

 ② 作品紹介

 

GA 芸術科アートデザインクラス(全七巻)

(以下GA)

 授業科目の半分が美術・デザイン関係となっているアートデザイン専攻クラス彩井高校の芸術科Aクラス (GA) を舞台に、賑やかな友人たちに振り回されている主人公の如月(キサラギ)、マイペースな優等生の雅(キョージュ)、トラブルメーカーの友兼(トモカネ)とミキ(ノダミキ)、皆のまとめ役である奈三子(ナミコ)ら5人の、授業やその合間の日常の様子が描かれた作品です。

 

アニメ化もされているのですが、まぞくのアニメと同じ桜井弘明監督の作品です。もちろんアニメのテンポは原作のある作品だと元の台詞量なども関係するので、まぞくほど台詞の連続はないですが、擬音がそのまま口から出ている等似かよった作風も見られます。一見気が弱そうで芯の部分は強いという点でも主人公の如月ちゃんとシャミ子も似てる部分がありますかね。巻数が多いので躊躇するという方はアニメ→気に入れば原作という形が良いと思います。また同じ作者の棺担ぎのクロ。~懐中旅話~」(全七巻)はダークファンタジーを意識したような不思議な世界観を持つ作品ですので、こちらもおすすめです。

 

 

 

うらら迷路帖(全七巻)

 

 女性の占い師である「うらら」とよばれる者がが治める町「迷路町」。そこに名前も知らない母を探すためにやってきた主人公の千矢は、道中で同じうららを志す少女たち…紺、小梅、ノノらと出会い、壁や謎にぶつかりながらも人として、うららとして仲間と共に成長していくお話です。

 

 こちらも独特の世界観を構築している作品であり、全体的に少しきな臭さを感じつつも明るいファンタジー寄りの作品です。またストーリーラインがはっきりしており、どこを目指していくかがわかりやすい作品でもあります。基本的には四コマですがここぞという時に大きくコマの使い方を変えてくることもあり、演出が面白いです。ちなみにアニメ化もされており、キャラクターデザインと制作会社がまぞくのアニメと同じですね。こちらも巻数がそこそこあるのでアニメ→原作の順で入るのがわかりやすいと思います。

 

 

 

「のけもの少女同盟」(全二巻)

 

のけもの少女同盟 (1) (まんがタイムKRコミックス)

のけもの少女同盟 (1) (まんがタイムKRコミックス)

  • 作者:榛名 まお
  • 発売日: 2017/10/27
  • メディア: コミック
 

虚弱体質の主人公、桐原霞はようやく学校に通えるようになったものの早速保健室のお世話に…そこに集まったツンギレや引きこもり等の変わり者たちと一緒に社会復帰を目指すコメディ作品です。

 

のけもの少女同盟の主人公の桐原霞ちゃんはシャミ子と同じく体が弱く、ずっと病院生活でした。やっと学校に通えるようになった彼女の社会復帰コメディです。当たり前のように存在する学校行事も、主人公にとってはやることなすこと何もかもがはじめてで新鮮です。人生の内では短くも大切な学校生活の中で彼女が何を得るのか、是非見守ってあげてください。アニメ化はしていませんが巻数が少ないので読みやすいと思います。 

 

 

 

「恋する小惑星(既刊三巻、キャラット連載中)

 

幼い頃、小惑星を見つけたいという約束をした主人公、みらが高校で約束の相手であるあおと再会し、入部した地学部を舞台に夢を追いかけていくという青春物語です。作品全体として「天文」「地質」といった地学を大きな要素とし、「好きなこと」「夢」にフォーカスを当てた作品であり、非常に前向きにキラキラ輝く作風です。

 

まちカドまぞくに近い時期にアニメ化されており、同じキャラットに掲載されている同期になります。幼馴染との再会、高校生活の中で夢を共に追いかけるという、きらら作品としてはかなりスタンダードな作風で大変読みやすいと思います。またこの作品はアニメ化するに当たって結構な再構成が行われており、アニメから原作に、また原作からアニメに行くと二度楽しめると思います。近年の作品では巻数も少なく一番勧めやすい作品の一つではないかと思います。

 

 

 

ゆるキャン△(既刊十巻、COMICFUZ連載中)

 

オフシーズンの 一人キャンプが好きな志摩リンは、うっかりな過ごして家に帰れなくなっていたたまたま各務原なでしこを助けます。そこからキャンプに興味を持ったなでしこは野外活動サークルに入部し、キャンプの魅力にはまっていくという作品です。

 

大雑把に分類すると気ままな一人キャンプと大勢でやるにぎやかなキャンプの両方が出てきますが、どちらかが優れているというわけではなくどちらにも特有の良さがあるというスタンスで話が進み、一人旅のエピソードでもSNS等でゆるく人間関係がつながっているという現代的な価値観の作品でもあります。アニメは一期とスピンオフが終わり劇場版と二期が控えている状態ですが 、一期の時点でも原作の読み込みが非常にうまく、出来のいい作品となっているのでぜひアニメの方をチェックすることをお勧めします。

 

ちなみに元々フォワード連載だったのが、芳文社の漫画アプリであるCOMICFUZに連載が移行しています。

 

 

社畜さんと家出少女」(既刊一巻、MAX連載中)

 

まちカドまぞくの世界は、少し掘るだけで暗い部分がゴロゴロ出てきます。かつてあったとされる大きな戦い、行方不明の千代田桃の姉…。詳しく言うとネタバレになりますが、あの世界は大きな犠牲の上に成立している日常であり、今でもなんらかのきっかけで平穏が崩れ去っても不思議ではありません。それでも日常は続くのです。このような薄氷の上に成り立つような状態が好きという方にオススメしたいのが、「社畜さんと家出少女」という作品です。

 

いわゆる社畜のナルさんの家に同居する家出少女のユキ、元々家庭教師と生徒の関係であったらしいが何かしらの理由で同居しています、しかもそれは決して円満な過程を得て形成されたものではありません。つまりどう考えても長続きする関係ではありません。確実にいつか終わりの時が来ます。その薄氷の上に立ちながら両人やその周りの人物の日常を描いた作品です。

 

 

 

がっこうぐらし!(全十二巻)

 

いつもと変わらない学校生活、しかしそれは主人公、丈倉由紀だけが見ている光景で実際は…

 

 実際に見ていなくても、話題や名前だけは聞いたことがある人は多いのではないでしょうか、ほのぼの日常系と思わせておいて実はゾンビサバイバルものであるというアニメの1話が良くも悪くも話題になりました。じゃあこの作品はいわゆる「日常系」ではないのではないかと思われるかもしれませんが、この作品でも「日常」という概念は大切な意味を帯びています。どんなに辛い状況でも日常は続いていく、じゃあその時をどう生きるか。厳しい世界観ではありますが、その反面、日常への向き合い方は誠実な作品ですので一度読んでみてください。あとお分かりかと思いますが人死にが出ますのでそこは注意を。個人的にはアニメの再構成があまりうまく感じられなかったので、アニメより原作を読んでほしい作品ではあります。

 

 

 

③おまけ

 

きららファンタジアについて

 

ひだまりスケッチ」や「ゆゆ式」、「NEW GAME!」等のまんがタイムきららの作品の登場人物達がエトワリアという異世界に召喚されるという設定のスマホ専用RPGとなります。クロスオーバー作品であり各作品のキャラクターたちは原作の話をある程度前提にした上で話が進む(多少の補足は入りますが)ので、まったくきらら作品を知らない状態でプレイするのは、おそらくモチベーションが続かないと思います。まちカドまぞくも参戦してはいるのですが、メインストーリーには今のところ関わりがないので、イベントストーリーにたまに顔を出すぐらいです。

 

しかしコミカライズ版「きららファンタジア」というものがあります。作者は「がんくつ荘の不夜城さん」等で知られる鴻巣覚先生であり、原作では戦闘にエンとゆかり…縁もゆかりもなかったきららキャラのバトル描写が非常に高いクオリティでえがかれています。第一章にあたる物語では、ひだまりスケッチのキャラを中心として、ココア(ご注文はうさぎですか?)、やすな(キルミーベイベー)、花名(スロウスタート)のバトル描写等は原作を知らなくても楽しめると思いますので是非ともチェックしてみてください。単行本が出ている他、COMICFUZのアプリで読むことが出来ます。

 

 

 

④最後に

 

慣れない長文を色々書いてみましたが、実際読んでみないとわからないことの方がはるかに多いので、私が挙げた作品以外でもあなたに刺さる作品がどこかにあるかもしれません。もちろん無理に何かを読めとは言いませんが、きらら作品にはこういうものがあるというおぼろげな解像度が少しでも上がったのならばとても嬉しいです。

 

ではまたの機会に。