Pokémon LEGENDS アルセウスのプレイ雑感記事です。いわゆるエンドロールまでのシナリオについてのネタバレががっつり含まれるのでご了承ください。
ネタバレクッション用モジャンボ、かわいいね。
さてBDSPの後に全く予想もつかない形で発表され衝撃を走らせたPokémon LEGENDS アルセウス。昔のシンオウ地方、ヒスイ地方で繰り広げられる大昔のポケモンの世界…ポケモン本家でありつつもゲームシステムが従来のポケモンとかなり異なるというまさに未知の世界。ダイパリメイクが外注でアルセウスがゲームフリーク作品として発表という異例の事態でしたが、あーだこーだいってもポケモンが発売されたからには買ってやる以外の選択肢はないのでやっていきましょう。
・導入+システム周り
語尾が違う!喋ってる!
冒頭はポケモン不思議のダンジョンシリーズの導入を彷彿させますね。すべてのポケモンに出会えと言い、主人公をヒスイ地方に送り込みます。おそらくは現代シンオウからアルセウスの手によって過去のシンオウ地方であるヒスイ地方に飛ばされたということでしょうね。主人公はラベン博士によって発見され、時空の裂け目から落ちてきた謎の人物として扱われます。
初期アバター、この格好で北海道モチーフの未開の土地に放り込むのかわいそう。
アルセウスも身一つでが主人公を送り出したわけではなく、スマートフォンを無断改造しアルセウスフォンというアイテムを持たせてくれます。今作のアイテムとしてはアルセウスフォンという明らかに時代に沿わないオーパーツが出てくることは事前から予告されていましたが、ここでタイムスリップするという発想に行きつかなかったのは今思うと不思議ですね…全く想定していなかった…。時代設定に合わせてか剣盾ほど便利ではない点はあるのですが、それでもゲームをやる上での快適さ、便利な仕様はだいたいこのアルセウスフォン周りに集約されている気がします。それにしても懐に入れずらそうなデザインですね…。
間違っても「セウス~」みたいな喋り方はしない。
そういうわけで主人公はラベン博士に捕獲の腕を見込まれギンガ団に入隊してポケモン図鑑完成のための調査をしていく~という流れで話が進んでいきます。ポケモン図鑑完成のために旅を始めるのは従来のポケモンと同じですが、ポケモンずかんがまだこの世に存在しておらず紙の図鑑で、一度捕まえただけでは情報が埋まらず色々調査していく必要があるのは面白い所です。
さて導入も終わったのでゲームシステムの話をします。
今作のポケモンは剣盾のワイルドエリアのように広いフィールドを探索する形で、野生ポケモンはシンボルとして存在しています。まず驚いたのが野生ポケモンの強さ、今までのポケモンの感覚のだいたい倍ぐらいのダメージを与えてきて油断するとすぐにこちらがやられてしまいます。特にヒノアラシを選択した場合序盤からわらわら出てくるブイゼルやイシツブテがきついのなんの…。20レベルぐらい差があっても抜群を食らえば半分以上持っていかれるので緊張感がすごい。そしてポケモンと人がまだ共に生きる時代ではないためかトレーナー戦の数が従来のポケモンより明らかに少ないです、金策は野生ポケモンの調査で手に入れる感じなのでここの感覚が一番本家と異なるところです。
また今作の野生ポケモンは直接主人公を攻撃してきて、一定以上のダメージを食らうと気絶し道具を一部なくしてしまいます、ここも不思議のダンジョンみたいですね。野生ポケモンには主人公を視認すると攻撃してくるポケモン、逃げるポケモン、特に気にしないポケモンの3種類がいるのですが、ポケモンずかんの説明文を覚えているとアゲハントが狂暴だったり、ゴーリキーが手を出さない限りは特に何もしてこなかったりといった生態に従ってるのが分かって面白いです。まあ水に濡れるのが苦手なはずのヒポポタスが沼に浸かってたり乾燥地帯にいるはずのスコルピが海辺にいたりしますが…。
ポケモンの捕獲は従来通りバトルで弱らせて捕まえるやり方と、直接ボールをぶつけて捕まえる方法の2種類があり、野生ポケモンが強いので戦わなくても捕まえられるのは助かります。この辺りはポケモンGOが出たことによる影響が大きそうです。剣盾のワイルドエリアとポケモンGOの捕獲システムを合わせて理想のポケモンが出来た!って感じでしょうか。
通常の個体より大きなオヤブン個体、捕獲は難しいものの初期レベルが高いので即戦力になる。
そしてポケモンバトル、素早さの関係で行動順が決まるのですが、相手が早いとこっちが操作する前に行動されるので、相手に先制させるとかなり手痛いダメージを食らいます。またこの時代はポケモンゲットもポケモンバトルの概念も浸透していないためか、ポケモン勝負をしよう!となった時に相手だけ一気に複数体出してきて「トリプルバトルやってるんじゃないんだぞ!!」と袋叩きにされる場面もちょくちょくありました。「~が勝負を仕掛けてきた!」のメッセージが出たり出なかったりするのは、いわゆる現代のポケモンバトルの基準を守ってる人だけメッセージが出てるって感じかな…?(検証は出来ていない)
・メインキャラクター+α
物語を彩るキャラクター達、大きく分けると主人公が保護されるギンガ団、そしてシンオウ様をあがめるコンゴウ団とシンジュ団という二つの組織が大きなくくりとして登場します。
全ての人間の先祖ラベン博士、今作のポケモン博士です、よその地方からやってきたギンガ団の学者さんですがポケモン捕獲の才能はないため主人公に協力を申し出てきます。細かい所作から人格者であることが伝わってくる良いキャラで、コトブキ村に戻る際に「大丈夫、警備隊も一緒ですよ」って言ってくれるのが地味に好きですね、主人公はポケモン扱える分強いはずなのにちゃんとこちらの安否まで気にかけてくれているのが好きです。気さくな話し方とポケモンずかんの解説文の文体のギャップと言い、おかしいことをおかしいと言ってくれたりする性格が非常に好印象で歴代の博士でもトップクラスに好きです。
シマボシさん、まあ…十中八九アカギの先祖でしょうね。感情が不要だと主張していたアカギさんと似通ってあまり感情を表に出さない人です。直属の上司にあたりますが、ケムッソにビビり散らかしたり、激励の言葉をかけたりこっそり主人公をサポートしてくれたりと最初の印象からとても好きなキャラになりました。
デンボクさん、ナナカマド博士の先祖と明言されているキャラでギンガ団の団長です、厳格で押しが強いところもナナカマド博士に似てますね。
コンゴウ団とシンジュ団のリーダー、セキとカイ、私たちはディアルガとパルキアの二体がいることを知っていますがこの時代の人々はそんなことは知らないのでどちらの信仰するシンオウ様が本物かで争ったりしている様子、でももっと昔ほどバチバチ対立しているわけではないという感じの距離感が良かったです。
さてメインキャラクター以外にも顔や髪形や座り方が似ているキャラが結構いるので「もしかして〇〇の先祖…」となる率は結構高いですが、公式で誰かの先祖と明言されているのはデンボクに関してのみです。やっぱりあんまりなんでもかんでも先祖!先祖!というのもちょっと…。
そんなことないだろ。
また散々先祖っぽいキャラを出してきていい加減慣れてきたあたりで…
ご本人様の登場です。
まさかのBWからご本人参戦のサブウェイマスターさん。ポケモンと人がまだ共に暮らしていない時代の話で、ポケモンゲットの役割を主人公がするなら、ノボリさんがポケモンバトルの役割を担ってるんでしょうね、サトシとゴウみたいな。ノボリさんが選ばれたのは、国際警察として再登場したリラのようにバトルに結び付けるうえでキャラがそんなに描かれてないバトル施設のトップが選ばれた感じでしょうか。記憶を失ってるようですが、主人公も選択肢によっては記憶喪失ロールプレイができるっぽいですね。
さて色んなキャプテンが登場しましたが中でも私が印象に残ったのは…
あれだよ、カロスだよお前。
クレベース繋がりか突然登場ウルップのご先祖、影が薄いXY勢が元ネタだからか口調までそっくりですね(というか台詞まで同じ個所が結構ある)。劇中でラベン博士がアローラのライドポケモンに言及していましたが、キャプテンとポケモンとの関係はアローラ地方のぬしポケモンのそれに似通ったものを感じますね、ハプウと雰囲気が似てるからかワサビちゃんが特にそんな感じがします。
・キング戦
謎の力で暴走したキングと呼ばれる特別なポケモンにシズメダマをぶつけまくっておとなしくさせるというボス戦、原理としてはポケモンレンジャーのキャプチャスタイラーに近い感じがします。従来のポケモンと大きく違いポケモンバトルではなく相手の攻撃をかわしながらシューティングを強いられる戦闘システムとなっています、ポケモンスナップかな?私はルーンファクトリー5のイージーモードですら大苦戦するほどめちゃくちゃアクションゲームが苦手なのでゲージ引継ぎ(救済措置がありがたい)を無限に使って無理やり突破しましたが、上手い人は多分低レベルでも突破できるんでしょうね。
森キングバサギリ、ストライクの新たな進化系です。さすがに最初のボスなのでそこまで苦戦はしなかった(当社比)です、システムに慣れろというチュートリアルの側面が強そうでした。
あしながポケモンの峠クイーンドレディア。まあ言うて二番目なのでそこまで苦戦しない…と思いましたが私がアクションが苦手なのが完全に露呈し、回避したつもりが食らってるを繰り返して死亡。二回目で何とか突破という先が思いやられる感じになっていき、ウインディ戦(スクショ撮れてなかった)は大苦戦を強いられ5回死亡しゲージ引き換えで無理やり突破という形に。回避不能攻撃を防ごうにも炎の柱を前に貼られると何もできないのがきついのなんの…。
ヒスイのマルマイン、急に弾幕ゲームを始めないでほしい。ウインディよりはやりやすかったですが電気ポケモンなので地面がいいでしょうとノボリさんが言ってたことを真に受けるとエナジーボールが飛んでくるのは酷い(ノボリさんからすると原種マルマインのイメージが強いから…?)。
雪原キングのクレベース、他のクレベースに比べて明らかにめちゃくちゃデカい。この時点で最初はポケモンは怖い生き物です!と言っていたラベン博士が暴れてもないのに無理に沈める必要はあるのでしょうか?と疑問を持っているのがいいですね。冷凍ビーム等に苦戦はしましたがここも個人的にはウインディほどではなかったですね。まあ3回やられてゲージ引継ぎでゴリ押したのですが…。
また従来のポケモンだと各場所のボス…つまりジムリーダーを撃破するとジムバッジがもらえるという所を、今作では特別なポケモンに認められるたびにプレートを渡されるという形になって、プレートがアルセウスのキーアイテムであるということに加え実質的なジムバッジのようなものになっているのが上手いなあと思いました。
アヤシシの時だけ苦笑気味の表情なのなんでだよ。
・追放
さてこれまでデンボクさんの指示で各地のキングたちを鎮めていき、ひとまずは安心…かと思いきや突然時空の裂け目が広がり、ヒスイ全土が大変なことになります。ここでギンガ団本部に呼び出された主人公はコトブキ村を追放されます。
お前ごときが無実を証明できると思うなとギンガ団を追放されたのでカイちゃんと静かに暮らしたい編開幕
やっぱりポケモン不思議のダンジョンシリーズで見た!
イェェイじゃねえよ。
いやあなたの命令でずっとキング鎮めに行ってたんですけど…って思ってたらラベン博士やテルくんもそう言ってくれたのでここは助かります。シマボシさんも見送りの後表面上は厳格な姿勢を保ちつつも激励してくれたのがうれしい。とはいっても身一つになってしまった主人公ちゃん、ここから頼れそうな人を探しに行くがやんわりと断られる展開が続きます(恩知らず!!)。さすがに落ち込みますね、そこへ現れたのは…
野生のコリンクでした。普段私を見る度に執拗に攻撃してきたくせにこういう時だけ優しくされるとコロッといっちゃいそうですね。気を付けないといけません。
あーいけませんいけませんお客様がお客様になってしまいます!!!!!!!!
もう少しで夢女子になるところでした、危ない所でした。
ウォロさんに連れられて来た隠れ里で明らかに特定の層に刺さりそうな新キャラ、コギトさんの登場です、私も好き。シマボシさんのアシストも受けつつ昔の神話に詳しいコギトさんの知識を借り、エムリット・アグノム・ユクシーの力であかいくさりを作ってシンオウ様を鎮めようという展開に、カイちゃんとセキさんのどちらかと行動をすることになったのでもちろん頼れる大人感あふれるセキさんの方に…。
はい。
湖に向かいます。なんかいるオヤブン戦を終えた後、それぞれの神が司る事象に基づいた試練が課されます。こういうチョウジ地下のロケット団アジトのマルマインのような捕獲可能なイベント戦はだいたい皆捕まえることにしてるので捕まえてました。
ひたすら「ねえどんな気持ち?ねえ今どんな気持ち?」と聞いてくる感情の神
ひたすら「諦めろ…諦めろ…」と煽ってくる意思の神
ユ ク シ ー の パ ー フ ェ ク ト さ ん す う 教 室
ヨ ス ガ ジ ム の 先 祖
【速報】メリッサの先祖、ユクシーで確定か
初見で大笑いしたので是非見てほしいシーン。急にポケモンらしい変な所を発揮するんじゃない。
三匹の力を借りて完成したあかいくさり、シンオウ地方を生み出した伝説のポケモンをつなぐといわれる神話の道具とダイパで説明されてましたが当時はディアパルを制御する道具とぐらいしか触れられませんでしたが、今作ではがっつりその効果に触れる形で活用されてました、ダイパのオタクかな…?
・帰ってきた主人公
事態を収める方法を見つけたためコトブキ村に帰還し、ラベン博士たちと再会する主人公、シマボシさんの「留守を預ける方が悪い」という台詞がすごく良かったです。さあシンオウ様を自力で何とかするために山に登ったデンボクさんを追っていきましょう。
は?
突如登場ミツルのご先祖、モブにしちゃグラフィック凝ってるな…とは思いましたがミツルのご先祖なのは完全に予想外だったのでビックリしました。
まあデンボクさんもポケモンを故郷に焼かれたトラウマがあるのに、ポケモンを知るための組織としてギンガ団を設立してなるべく中立的に振舞おうとしている節もありましたから多少は擁護の余地もあります。イモモチ10個かまずに飲み込め。
あかいくさりを使いパルキアを鎮め戦闘、捕獲の流れです。背後のエフェクトがちゃんとダイパのあれの高解像度なのが細かい、あっさり捕まるのも細かい(BDSPではクッソ難しかった)。
はい。
まあ皆知っていましたがシンオウ様は二体いたんですね~ディアルガの参戦です。
ジョウト出身っぽいですねデンボクさん、ギャラドスに村焼かれたりしたんでしょうか。さてディアルガを何とかするために砕けたあかいくさりやオリジン鉱石、そしてクラフト名人のテル君など様々な人の力を借りて作られるのが特別なモンスターボール、オリジンボールです。この時代に初めて登場したモンスターボールにスポットを当てて特別なモンスターボールを出してくるのはモンスターボールが当たり前になった現代が舞台のポケモンでは見られない特別な感じがしますね。
人工的に作ったあかいくさりと同じ効果を持つオリジンボール。湖の3匹が生み出したあかいくさりとあかいくさりを材料に化学力で作られたオリジンボールでディアルガとパルキアを鎮めるというのは、プラチナで登場した科学力で再現されたあかいくさりに似たものを感じます。
こうやって今のシンオウになったんだよという描写は意外と控えめだった中こうやってやりのはしらができたんですね~と言わん限りの大爆発!!!
ここのパルキアがめちゃくちゃかっこいい、暴走する片方のパッケージポケモンに対抗するためにもう片方を使役するシチュエーションは過去作にも見られましたが、アングルがバチバチに決まっています。さあかかってこいディアルガ…
誰!?
ここで初解禁、ディアルガのオリジンフォルム!ギラティナにオリジンフォルムがあるんだからディアルガやパルキアにない理由はないのはそれはそうなんですが実際にやってきたうえにその姿がどこかアルセウスに近い(そしてギラティナはアルセウスと全然似てない)のはうお~~~シンオウ神話のオタク~~~~~って感じで最高でした。ちなみにポケモンバトルがあると思ってて待機していたオオニューラ君の出番はありませんでした(そんな…)(正直ウインディの方が苦戦しました)。
ヒスイの危機を救い、閉じた裂け目を見た主人公の表情、元の世界に戻りたいかどうかの話は途中からあまり触れられませんでしたが、満足げな表情を見るにこっちで生きていく決意をもう固めた感じなんでしょうか。これでひとまずエンドロールに入ります、エンドロールのBGMで「あー、あのBGMのアレンジー!!!」と叫んでしまいました。
・まとめ
ダイパのアレンジBGMを聞く機会が少なかったり、ボス戦でのアクション要素が回避以外なかったりとまだまだ発展の余地はありそうですが、今までにないポケモンのゲームでありながらこういうポケモンのゲームがやりたかった!という感じがすごかったです。ストレートで進めばストーリー自体は少し短いですが、私はエリア探索という名の寄り道で無限に時間を吸われたので、人によって進行スピードがバラバラになりそうですね。
私は元々BDSPとアルセウスの二つを合わせて"ダイパリメイク"なのではないかという仮説を立てていたのですがアルセウスをプレイしていて感じたのは、これはBWに対するBW2、つまりダイパの続編なのではないかということでした。ダイパの要素を受け継いで同じ場所で別のストーリーを展開する、BWの場合プラズマ団壊滅後の世界を描くという形でしたがシンオウ地方の場合はシンオウ各地に存在する神話や民間伝承といった要素が未来より過去で話を展開したほうがやりやすかったのではないかということです。精神的続編みたいな感じ…?ダイパの伏線回収というよりは、かつてばらまいた要素を拾ってきたというのが多いですね(本来の意味の伏線になってるのはBDSPのミオ図書館追加文書ぐらいじゃないでしょうか)。
さて長々書きましたがまだクリア後のシナリオに触れてません、というか大量発生の色違い粘りとか無限に寄り道してて全然進まないのです…。続きは真ファイナルラストボスを倒してからまたゆっくり書こうと思います。
それではまた。