ワクワク不動怪獣日記

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漫画紹介第15回「ニチアサ以外はやってます!」

皆さんこんにちは。

最近全然更新されてない漫画紹介の記事です(ごめんなさい)。

 

さて本日紹介する漫画はこちら、まんがタイムきららキャラットで連載中、本作がデビュー作となる猫にゃん先生による本日発売したてホヤホヤの「ニチアサ以外はやってます!」(以下ニチ以)になります。

 

 

あらすじ

 

とにかくカッコいいもの好きで「ヒーローみたいな事」に憧れる高校一年生・海城あかね。特撮研究会の部長・芹沢博見に目をつけられた彼女は、スーツアクターとして廃部寸前の特撮研を救うヒーローとなる!?元気はつらつ陽キャのあかねとちょっと厄介な特撮オタたちが織り成す、高密度青春部活コメディ!(公式説明文より引用)

 

 

この漫画の題材はずばり特撮です。特撮の厳密な定義を絞るとややこしい話になるので割愛しますがウルトラマン仮面ライダーのような番組だと思っていればだいたい大丈夫です。タイトルにある「ニチアサ」という言葉はその特撮番組である日曜朝の仮面ライダースーパー戦隊の放送時間帯をまとめた呼称の事です、スーツアクターは怪獣やヒーローのスーツを着てアクションをするいわゆる着ぐるみの中の人の事ですね。

 

特撮という変わったジャンルを扱う作品ですが、基本的にはあらすじの通り部活動ものです。特撮を自分たちで制作する部活、現実にも規模こそ違いますが早稲田大学の怪獣同盟等現実にも存在するものだったりします。「きらら作品は読んだことあるけど特撮は詳しくない…」という人もいるかと思いますが、この作品を楽しむ上では特に問題はありません、特撮を知っていないとわからない話ではなく(専門用語も解説が入るので)、あくまでベースは青春部活コメディであるからです(翔太の寿司やクッキングパパを読むのに料理人である必要はないのと同じですね)。作中の登場人物は主人公はほぼ特撮を知らない陽キャで、他の特撮研のメンツも好みがバラバラで一筋縄ではいきません。それでも各々の登場人物が持つ「好き」という力、それがぶつかり昇華し合う中で何が生まれるか、それがこの漫画のメインストリームです。

 

また四コマ漫画としての表現に触れると、基本フォーマットがかなり固まっている制約の上でも視覚的に優れた表現方法を見せています。これは実際に読んでみた方が分かりやすいと思うので試しに読んでみてください(特に6話や12話が素晴らしいです)。ニコニコ静画のきららベースという枠で、ニチ以をはじめ色んなきらら漫画がある程度無料で読めます、単価が結構お高いきらら漫画でもこういう入口があるので覚えておいて損はないですよ。

seiga.nicovideo.jp

 

 

 

では特撮を知っていればどういう反応になるの?という事ですが、主人公たちの名前が特撮番組の主役人物から取られていたり、作中に出てくる小物や台詞の元ネタがわかったり、キャラクターのポーズにモデルがあったりという事がわかったりします。ですがこれはあくまで小ネタの範疇であり、わからなくて大丈夫です。本当にわからなくて大丈夫なの?と思う人もいそうなので例を出します。


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はい。

 

これは仮面ライダーゼロワンの特写(写真集みたいなもの)のポーズを参考にしていると思われるシーンです。


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なぜか一部では有名なポーズだったりしますが、ここで初めて聞いた方は「ふーん」となるでしょう、話の本筋には何の関係もありません。作品のパロディネタというものは大きく分けると、元ネタを知っていないと話の意味がよくわからないものと、知っていなくても問題なく話が楽しめるものの二つがありますが、ニチ以は後者になります。逆に特撮に詳しい方は逆に紙面の隅々までネタを洗い出して数えてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

戦隊ものは昔見ていたけどしばらく見ていないな…」という人や「ひだまりスケッチごちうさは知ってるけど最近のきらら漫画は知らないな…」という人へ、ジャンルというものは時間を経るにつれてこれまでの積み重ねや新しい技術の誕生によりクオリティがどんどん上がっていきます。現代の新幹線が昔の車両と比べてうんと速くなっているように、特撮もきらら漫画も昔に比べて先人の技術をもとに新たな表現を生み出し、そのクオリティはどんどん上がっています(もちろん不朽の名作は存在する上で)。久しぶりにきらら漫画を読むという事になるのであれば、この「ニチアサ以外はやってます!」を読んでみてはいかがでしょうか、きっと驚くと思いますよ。

 

さて最後に世知辛い話をしますがきららに限らずいくら漫画が面白くても、打ち切られる時は秒速で死にます。初動が特に大きく影響するという事なので少しでもこの漫画を面白そうだなあと思った人はぜひ単行本を買ってください、それだけの価値はある作品だと自信をもってお勧めします。

 

それでは今回はこの辺りで。