ワクワク不動怪獣日記

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マリヴェルとエーレは幸せになってくれ~忘却聖女のお話~

今回のお話は忘却聖女のお話です。

タイトルのマリヴェルとエーレというのはこの作品のヒロインとヒーローの名前です。

ネタバレをぎっしり含むので気を付けてください。

 

書籍化もされている他、小説家になろうで現在連載が続いているので読んでください。

https://ncode.syosetu.com/n3712gq/

 

 

はい。

まず孤児でスラムで育っていたマリヴェルが神殿に拾われ、そこで家族としての愛情を注がれるも困惑しながらも聖女としてすくすく育ち、やっと拾ってくれた神官長の事を父親と呼ぶ決心がついたタイミングで、マリヴェルは神官長を含め、神殿に所属する人間全員から忘れられ、もちろん神殿からも追放されるという所から物語はスタートします。開幕トップスピードの不幸、マリヴェルが何をしたというんだ。そしてスラム生活に逆戻りした後、唯一マリヴェルの事を忘れていなかった神官エーレに保護され、この異常事態を収めるために動きだす…。というのがこの物語の大まかな流れです。

 

さて主人公でもある聖女マリヴェル、結構酷い目にあいます。開幕親しい人間ほぼ全員から忘れられるという結構な出来事から始まり、顔を焼かれたり、全身の骨が折れたり、体内が焼けて血の海を吐いたりと散々です。ですがこの主人公、まず弱音を吐きません、これは彼女が強いこともあるのですが、基本的にこの主人公が自分の事を駒のように思っているからです、簡単に言うと自己肯定感が皆無です。自分が価値がないという事を卑下ではなく事実として認識しているため、非常に厄介でもあります。

 

そんな彼女も泣いてしまうこともあります。

エーレに神官長の事をお父さんと呼ぶ練習をしていたことを指摘された時や血の海を吐いてぶっ倒れた時に神官長が見舞いに来ないと言われた時です。誰かに指摘されてというのがミソで、一人では泣きません、強く危ない子です。

 

この非常に力強く、かつ徹底的に自己肯定感がない主人公が、周りの人間が愛を注いでも注いでも割れた器のように零れていく様を見せながら、それでも注ぎ続けていた行為に意味はあったんだという種明かしが炸裂するのが最近の展開です、爽快ですね。やっと、やっと主人公が愛の重みに気が付いてくれたんです。ちなみにその頃の主人公は少しでもネガティブに偏ると自我が砕けて消滅する寸前で体は寝たきりに近い状態になっています。

 

どうして????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

 

幸せになるのはこれからだろ??????????????????????????????????????????????

 

 

ちなみにエーレも満身創痍になっています。私はかわいそうな展開自体は大好物なのですが一定のラインを超えると「どうして…どうしてそんなことをするんだ…」と人間らしい心が戻って泣き始めるのですが、今回はまさにそれになっています。

 

さて多少取り乱しましたが、彼女たちの行く末に幸せな未来が待っていることを願わずにはいられません、更新はまだか。

 

それではまあこのあたりで