カナタの前に現れた少女ミカ、彼女は自分の父であるグレゴール人グレースとデッカーを試合させたいと申し出てきた。グレースは宇宙最強の格闘チャンピオンだったが、体にガタが来ており、さらにスフィアのせいで地球を去ることができず、娘と細々と暮らしていたのだ。そんな中町に出現したレッドキングと交戦したガッツセレクトを見たグレースはガッツセレクトとの試合を申し込み、ガッツセレクトはこれを了承する。当日、試合中にスフィアレッドキングが乱入しデッカーが応戦するも苦戦、試合を中断しグレースとガッツセレクトが加勢してこれを撃破、グレースはガッツセレクトの手配でTPUで体の治療を受けられることとなり、スフィアのせいで故郷に帰れなくなった人々に思いを寄せつつ、カナタたちは決意を新たにするのだった。
ピット星人回に続きスフィアのせいで故郷に帰れなくなった宇宙人、グレゴール人グレースと娘との親子の話でした。超古代の光の巨人の話を聞いて試合を望んで地球に来たというのが自然なトリガーの世界の話という感じがしていいですね。グレース自体も穏やかな性格で悪役レスラーがオフだと人がいいみたいな雰囲気が感じられて良かったです。町を守るためだったり、デッカーのピンチにガッツセレクトに勝利を譲って加勢するといった形だったりと戦闘シーンが多いのも印象的でした。またムラホシ隊長もグレースの申し出を受けたり、食事を提供したりと柔軟で温和な人柄を見せつつ、ささやかな幸せも守るため、ガッツグリフォンをかりスフィアに立ち向かう強い意志を見せた回でもありました。
今回登場したウルトラ怪獣は宇宙格闘士グレゴール人グレース、どくろ怪獣レッドキング、どくろ合成獣スフィアレッドキング、ディメンションカード怪獣ウインダムでした。グレゴール人はダイナ以来の参戦、ダイナ当時はニセウルトラマンダイナとして戦っていましたが今回はグレゴール人の姿で戦っており新鮮でした。マント（ウルトラマンオーブに登場したメフィラス星人ノストラのもの）や、リングに見立てた剣（ジュダ・スペクターの大剣の流用）もあったり、変身バンクもあって非常に優遇されていました、演じた方が当時ダイナのスーツアクターもされていた中村浩二さんだったりスーツも当時品っぽいのも嬉しい所ですね。スフィアレッドキングはスフィアに取り付かれる前の姿が二代目デザインのスーツであったりスフィアレッドキングの細部デザインから見るにマックス版スーツの改造でしょうね。装甲怪獣レッドキングとして生まれ、メビウスや大怪獣バトル、ゼロファイト、ギンガ…と非常に長い間多くの作品で活躍していたスーツでした、引退試合だったのかもしれませんね。レッドキングのパワーに加え衝撃波を発射する等強力な怪獣で、スペースゴジラのような結晶配置や全身が真っ赤でパワード版のような印象も受ける魅力的な悪役だったと思います。ウインダムはカプセル・マケット・特空機に続いてディメンションカード怪獣として登場、レッドキングに一撃入れたり、アギラやミクラスとともにモンスコンボとしてグレースを爆発寸前のレッドキングから引き離したりと地味に活躍していました。
それではこのあたりで。
