ワクワク不動怪獣日記

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仮面ライダーゴーストの私感

仮面ライダーゴースト

 

はい

 

何で今更仮面ライダーゴーストの感想なのかと言いますと、単にファイルを整理してたら諸事情で書いた仮面ライダーゴーストの感想文が出てきたからです。せっかくですし公開します。多少心境の変化があったので最初書いたものとはちょっと違いますけどね。

 

それではテレビシリーズ、夏映画、Vシネ、小説と続けてどうぞ

 

・テレビシリーズ

 結論から言うと「嫌いではない作品」です。最初のころは「まあまた新しい仮面ライダーが始まるのだろう」程度の認識でした。強いて言うなら主人公の演技が棒読みすぎて少々不安でしたがそのうちどうにかなるだろうと思っていましたし、実際短期間で格段に演技力が上昇したことに感心しました。命の扱いが死ぬほど適当なのは今更言う事は無いです。

 

タケル殿の消滅タイムリミットが来て一発闘魂するまでは、英雄とかかわりのある(こじつけ臭いとか言うな)悩みを抱えたゲストをタケル殿が発光ハグをしながら何とかしつつ眼魂を集めつつも、リミットが迫りゆくという流れでした。最初のタケル殿消滅リミットが来たときに無力さに打ちひしがれるアカリや、普段は明るく振舞いつつも隠れて泣く御成といった描写は心に来ました。マコト兄ちゃんは完全に近寄りたくない厄介な通り魔だったですが後に改心し、タケルパパが不思議な力を使うことはジェネシスではっきりしたので特に問題は無いと思います。闘魂後はタイムリミットがほとんど意味をなしておらず危機感が無かったのは残念ですね。

 

そして眼魔世界との関わりが出てくるにつれて不穏を感じるようになりました。ふわふわした話とやけに展開の早い話が混ざり始めたように思います。グレイトフル魂登場回は突如興奮したタケル殿が沈静化して、孫を見守る祖父のような甘さの偉人たちが力を貸してくれる流れでしたが、展開が速くて追いつきにくく、二回に分けたほうが良かったかなあと思いました。圧縮AtoZゴーストバージョンのように思えたムゲン魂回も同様です。

 

ガンマイザーとの戦いが始まってからは少々退屈でした。デザイン以外個性皆無の同じ敵と何回も交戦して復活を繰り返し、ノルマのように戦闘パートが消化されて退屈さを感じてしまいました、一回だけあったかつて登場したゲストをのっとって登場したガンマイザー方式を続けてほしかったですね。この頃のネクロムやスペクターは新フォームor武器登場回以外はタケル殿のお供と化して戦力不足なのが残念でした。

 

ここまでほぼ悪口のようなものですが、明確にゴーストに関して気に入らない点があり、それが仙人に関してです。眼魔世界やゴーストに関する設定が明らかになるにつれて仙人への不信感が高まり、夏映画を見た後のダークゴースト仙人でついに不快感を覚えてしまいました。ゴーストがここまで嫌いにならなかった理由の一つである不快感が無いことが仙人一つで崩れたのでダメージが大きかったです。タケル殿以外は怒ってましたがタケル殿も怒ってよかったと思います。

 

タケル殿のリミットが再び迫りアデルの野望が実現に向かうにつれ酷くなるクソコラ地獄に関しては大笑いしてしまったのでこれはこれで良いと思ってます(良くない)。


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誰か止めた方が良かった気もしますが、最終クールの推進力の一つでは間違いなくあったので、あれでよかったんでしょう。最終決戦のライダーキックは文句なくかっこよく、タケル殿も急にキレたり許したり消えたりを繰り返しつつも生き返ったので結末はあれでよかったのだと思います。本当にタケル殿はおいしそうに食べ物を食べる人でした。ここまで書いたように不満も多く(本当に多い)ありましたが見て後悔はしていません。

 

ただゴーストを見て良かったと思えるのは御成の存在です。コメディキャラでありつつもしっかり役に立つところは役に立つキャラでしたが、それでも自分がタケル殿の役に立っているか思い悩んでいるところが御成のキャラクターを良く表していると思います。ここで最高に好きなシーンがジャベルを助けるシーンから助けられるシーンの流れです。仏の道を説いていた時の御成の顔はいろいろなことを経験した上での笑顔であり、イゴールの攻撃から御成を助けて去っていくジャベルを見送る御成の様々な感情が入り混じって感極まったような表情は平成ライダーの登場人物の中でも一番のものだと自信を持って言えます。最終回付近ではやるべきことをやると決めてタケル殿が生き返った時のためにおにぎりを作ったり、ジャベルの弟子入りを受け入れるのも人の良さを表せており、個人的に仮面ライダーゴーストで一番好きなキャラになった理由でもあります。

 

・夏映画

まず屋外で物を食えないタケル殿の前でパーティを行う大天空寺の面々は本当に畜生だと思いました。タケル殿はご飯が食べたいという事が言いたいがための伏線として必要だったのかもしれませんが、ちょっと人の心が無いように思えました。タケル殿がご飯が食べたいという事は本編では描写がさりげなさ過ぎて印象に残りにくかったように感じましたが、これはこれでどうかと思います。

 

英雄の村は雑さが極まった偉人描写をこれでもかと見せられて頭を抱えました。特に三蔵の頭にリンゴをのせて矢を放ったロビンフッドが英雄團を呼んでライブを開き、その様子を見て「これが…偉人のあるべき姿なのかもしれない」と納得するタケル殿のシーンが最高で頭がおかしくなりそうでした。そもそも英雄の村とはなんなのでしょうか。考えてもわからないんだだから生きる、魂、燃やし生き抜いて、見つけ出すいつか。

 

ゲストキャラのアルゴス兄貴についてですが、いくら全人類のゴースト化を企みタケル殿の体をベルトにして仮面ライダーに変身したとはいえ、死んだあとに仙人の都合で騙されて働かされた上、特に本編のアデルのような救済描写もなくタケル殿に蹴り殺されたのはさすがに哀れでなりませんでした。仙人の行いに対してはタケル殿の反応が特殊だっただけで、普通はアルゴスのように仙人に対して怒りをあらわにするのが当然だと思います。映画のラストでユルセンにそのことを突っ込まれても「それを言っちゃあお終いよ!」とふざけて態度を取っていたのは流石に誰かにしばかれた方がいいと思いました。私は映画を見たタイミングが本編で仙人がダークゴーストに変身する回の直前だったのでかなり頭に来たことをよく覚えています。いや本当に死体蹴りみたいになってて酷い。

 

ネクロムやスペクターは戦闘シーンでそこまでいい見せ場はありませんでしたが、敵味方両方のゴーストチェンジの連発は気持ちのいいものでした。最終決戦のエクストリーマーとムゲン魂の戦闘は非常に迫力があり、あのシーンで我ら思う故に我らありを流した方が盛り上がるとも思ったのですが、あのライブシーンだけで終わってしまったのは残念でした。正気に戻ったダーウィンの絵面が何一つ正気じゃなかったのはすごかったですけどね。

 
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タケル殿は英雄達の不思議パワーでなんとか消滅の危機を免れ、人ごみの中から大天空寺の面々の前に帰還するシーンは良かったと思います。全体の起承転結の時間配分もきっちりしており、仙人の不快さを除けばゴーストの劇場版としては満点であり、ゴーストの映像作品では一番好きかもしれません。

 

・スペクター外伝

正直言うと本当に福田卓郎氏が書いたのかと思ったほどは面白かったです。冒頭から眼魔世界の住人に大量の犠牲者が出ているとわかったシーンでは、ゴースト本編の緩い雰囲気とは違って驚きました。ダントンの「アドニスのやり方は幻で人は自分の手で進化していかなければならない」という主張自体は非常に正論に聞こえました。人間を改造したり人造人間を作ったりと倫理的に嫌悪感を催すようなやり方でしたが、アドニス側の人間の魂を取り出して器に入れるというやり方も同レベルだと思いますが。ただし肉体に悪影響が出ている状況ですでに多くの犠牲者が出ており時間的に余裕のない中でダントンに賛同する人間が出るのも仕方のないことだと思います。

 

マコトは自分がダントンによって作られた多くの人造人間であることを知って苦しみ、ダントンからお前は人間だと認められることによってダントン側についてしまいます。体を張ってカノンを救いマコトを叱責する姿はまさに父親の姿だと感じました。その後考え方の違いによってアランとマコトが直接対決するシーンではお互いが本編でノルマのように叫んでいた決め台詞がちゃんと意味を持った強いものになっていて感心しました。友情バースト魂が結局火曜サスペンスの被害者のように倒されてしまったのは少し残念でしたが。

 

ただ後半になると止める必要のないアカリ達の進めている大気浄化計画を妨害したり、カノンが完全でないことを知ると失敗作は廃棄処分だと言ってカノンを殺そうとしたりと急激に小物になってしまったのが残念でした。シンスペクターの戦闘シーンはとても迫力があり、大気浄化が成功し現れた青空をバックにした必殺技の絵面は文句なしのかっこよさです。しかしダントンが最後の小物のような態度をとらなければ、マコトはダントンにそのまま従っていたのかが気になります。

 

我ら思うゆえに我らありのアレンジが流れる中演説するアラン、悩みながらも天空寺龍、深海大悟、ダントンの三人の父親の思いを胸に、我思う故に我ありと自分は人間であると歩みを進めていくマコト、ゴーストの〆としては最高のシーンだと思います。自身が人間でないことを悩みながら人間として生きることを決めたマコトはまさに「仮面ライダー」だと感じました。

 

 

小説

ほぼテレビシリーズの補完というか、設定資料集みたいな作品ですね。普通に文章が拙くて読みにくいです。いや私もこんなクソブログ書いててなんですけど。Vシネや夏映画で出てきた大人の大半がクソ野郎か無能で頭を抱えました。特に深海大悟があんな無責任野郎だったなんて、ダントン狂ったのお前のせいじゃねえかどうしてくれる。あと大半が過去パートで、戦闘描写もほとんどなかったので少し肩すかしでした。あと言っちゃなんですがVシネで突然生えてきたヒロインといきなり結婚するのはどうなんですかね…。アカリはどちらかというとお姉さんっぽいのでアカリと結婚しないのはわかるのですがだからって…。ただ設定の補完については良くできているのでゴーストの映像作品を追いかけ続けた物好きは買って損はないと思います。私だ。あとVシネもそうなんですけどテレビ本編を悪いテストに例えるなら追試みたいな雰囲気があるのであんまり高評価をしたくないという気持ちもあります。面白いは面白いのですが…。

 

こんなものですかね、全部ひっくるめると嫌いではないですよ、とりたてて好きでもないんですけど。ただ平成ジェネレーションFINALで助太刀に来たタケル殿には感動したあたり、単に好き嫌いでは語りきれない魅力があるのかもしれません。キャラクターの魅力は平成ライダーの中でも上位ですしね。仙人以外。

 

ではまた機会があれば


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