ワクワク不動怪獣日記

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最悪な黒幕アジェーレア様~「狼領主のお嬢様」紹介記事・後編~

間が開いてしまいましたが後編です。

 

前編はこちら

 

hooringax.hatenablog.com

 

様々な困難を乗り越えて前世の悲願でもあった婚約までこぎ着けたシャーリーとカイド、その許可を貰うため、友人のギミー領主のイザドルや使用人のカロン・サムア・ジャスミンらとともに国王に謁見に行きます。そこで彼女たちは第一王子のマーシュ様と第二王女のアジェーレア様の二名と出会います。マーシュはシャーリーの前世で幼少期に面識があった人物ですが、アジェーレア様は初対面で、少し幼さが残るもいかにもお嬢様らしい無邪気な方です。前領主(お嬢様一家)を処刑したカイドの事を怖く思っており、シャーリーにそんな人と一緒で怖くないの?と素直に問いかけてきます。幼くも聡明な印象がありますね。そこでお嬢様は転生の事は伏せつつもカイドと結ばれるまでの苦労と自分がカイドをどう思っているか…言い換えれば愛の確認をします。カイドは隠れて聞いていて顔を真っ赤にしていました、かわいいですね。

 

そして国王から婚約の許可がおり、正式に夫婦となることができます。

 

 

~Happy END~

 

 

 

「ねえ、シャーリー。カイド・ファルアをわたくしにくれないかしら。大丈夫、あなたにはお兄様をあげるわ。ね? いいでしょう?」

 

 

アジェーレア様がとんでもないことを言いだします。

 

 

「ねえ、シャーリー。どうか一緒に考えて? どうすればお父様を説得できるかしら。お父様ったら、お年を召して頑固におなりなの。どうしたものかしら。あのね、お兄様の部下の方々はとっても協力してくださるのよ? お兄様とお父様の説得に力を貸してくださっているの。ねえ、シャーリーったら。どうすればお父様はわたくしとカイドの恋を応援してくださるかしら……そうだわ! 貴女に他に好きな方が出来ればいいのよ! お兄様はどうして駄目なの? わたくし、お兄様が大好きなの。だからきっとシャーリーも大丈夫よ。きっとお兄様とシャーリーも素敵な恋を出来るわ!」

 

とんでもないことを言いだします。

 

 

もちろん第一王子や国王がそんなことを承知するわけもないのですが、国王の後継者問題が絡んでいるため王女側の派閥も少なからずおり、お嬢様はアジェーレア様に軟禁され身動きが取れなくなります。アジェーレア様はずっとこの調子で喋り続けているため一人で相手をしているシャーリーはSAN値がゴリゴリと削られ憔悴します。この状況を何とかすべく、同行していたギミー領主イザドルはお嬢様に現状と打開策を伝え、無事ライウスに帰れたら昔(転生前)のようにまた遊びましょうという約束をします。

 

二日後

 

イザドルが亡くなったという知らせが入ってきます。

 

そして追い打ちをかけるように

 

国王が亡くなったという知らせが入ってきます。

 

今までは国王のブレーキがかかっていたアジェーレア様、もう止まりません。

 

このアジェーレア様。天使のように無邪気な口調で「お父様が亡くなったの!(満面の笑み)」「これでカイドとの結婚を阻む人は誰もいないわ!嬉しい!」と四葉のクローバーを見つけた幼児のような明るい口調でとても嬉しそうにシャーリーに語り掛けます。シャーリーは発狂寸前です。どうしてこんなことに。このままだとイザドル以外の大切な人も死ぬかもしれない、それだけはあってはならない、自分のために誰かが死ぬなんて我慢ならない…転生前の経験もありそう思いつめたシャーリーはたった一人で大切な人たちを守るため博打に出ます…。

 

さてこの今までの困難が終わった後の楽しいエピローグだったはずの話をサイコホラーに変えてしまった女アジェーレア様ですが、本人には何の悪気もなく、ただ自分が良しとしたことを他人も良いだろうと考えてしまうだけです、だけですむかふざけんな、シャーリーは開幕首切り落とされてカイドは毒殺までされそうになった物語だぞ、これ以上の試練がいるかよ…。

 

原作はこのアジェーレア様大暴れ編は終了しており、漫画版はまさにクライマックスに近い所なので読んでみるといいでしょう。漫画版の5巻はどんどんアジェーレア様のせいでSAN値がゴリゴリ削られてるお嬢様が全編にわたってお送りされています。